柏の不思議な地名を調べてみた|十余二・呼塚・布施・増尾・逆井・篠籠田…由来はどこから?

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柏の地図には、「十余二(とよふた)」「呼塚(よばつか)」「篠籠田(しこだ)」など、読み方が気になる地名が並んでいます。
駅名でおなじみの増尾や逆井、布施にも、それぞれ名前にまつわる話があります。
明治の開墾、湧き水、土地の起伏、古くからの記録や言い伝え。
6つの地名を比べると、柏の土地が歩んできた歴史の違う一面が見えてきます。

まずは6地名の読み方と由来を比較

地名・読み由来・名前の手がかり
十余二(とよふた)明治時代、12番目の開墾地
呼塚(よばつか)源頼朝と名馬にまつわる伝承
布施(ふせ)古代の布施屋にちなむという説
増尾(ますお)細長く伸びる台地など地形に由来する説
逆井(さかさい)井戸を逆さにしたように水が湧いたという説
篠籠田(しこだ)「志子田」など古い表記が残る。語源自体は未詳

同じ地名でも、開墾の順番のように説明できるものもあれば、言い伝えや古い表記から由来を探るものもあります。

十余二|「十二番目」の数字が残った開墾地

十余二は「とよふた」と読みます。「じゅうよに」ではない、という読み方も印象的ですが、名前の背景は明治初めの土地開発にあります。
江戸時代、この一帯は幕府の馬を育てる小金牧のうち、高田台牧に含まれていました。
明治維新後、牧の跡地を開墾することになり、入植地には順番に数字にちなんだ名前が付けられ、十余二は、その12番目に当たりました。

番号の付いた開墾地は1番目の初富(鎌ケ谷市)から13番目の十余三(成田市など)まで続き、柏市には4番目の豊四季もあります。
十余二だけを切り離して見るより、下総台地の開墾地名を並べてみると、当時の大きな事業の一部だったことがわかります。

柏市が公開する歴史資料には、十余二皇大神社に残る開墾碑も紹介されています。
現在の柏の葉周辺を含む地域の成り立ちを、地名と石碑の両方から確かめられるのです。

下記の記事では、「豊四季」と「十余二」についてより詳しく読み解いています。

関連記事:なぜ柏には「豊四季」と「十余二」がある?数字でつながる13の開墾地

呼塚|名馬を呼んだという頼朝の伝承

国道6号と16号の交差点名でも知られる呼塚。読みは「よばつか」で、地名をめぐっては源頼朝と名馬にまつわる話が伝わっています。
地域史資料『私たち柏の歴史』には、頼朝が野生の良馬を捕らえさせ、その馬を呼んだ場所が呼塚だったという言い伝えが紹介されています。

ただし、これは地名の由来が古文書などで確定したという話ではなく、地域に伝わる言い伝えであるため、頼朝と馬のエピソードは、史実として断定せず、地名にまつわる伝承として受け止めたいところです。

下記の記事では、「小金牧」や馬と柏の歴史など、もう少し深く解説しています。

関連記事:今の柏からは想像できない「かつてあったもの」7選

布施|旅人を助けた「布施屋」に由来する説

布施(ふせ)は、布施弁天の名前でもおなじみの地名です。
その由来として紹介されているのが、古代に旅人や病人などを助けるために設けられた「布施屋(ふせや)」という施設。
京葉ガスが柏市史などを参考にまとめた地名解説でも、布施村の名前は布施屋に由来すると説明されています。

布施という地名の歴史は古く、1130年(大治5年)の文書には、この一帯を含む地域が「布施郷(ふせごう)」という名前で登場します。
かつては街道や利根川の渡し場を通じて人々が行き交った土地でもあり、現在も知られる「布施」という名前には、交通の要所だった地域の歴史が重なっています。

布施弁天 東海寺
布施弁天 東海寺

増尾|尾のように伸びる台地が名前の手がかり

増尾(ますお)は、東武アーバンパークラインの駅名としても知られる地名です。その由来には、周辺の土地の形が関係していると考えられています。

東武鉄道の公式サイトでは、細長く突き出した台地を意味する「舌状台地(ぜつじょうだいち)」に由来すると紹介されています。つまり、台地が動物の尾のように伸びていることから「増尾」という名前が生まれたという説です。

一方、京葉ガスの地名解説には、「尾」を丘陵地の頂上とする説明もあり、いずれも土地の起伏に着目した説で、増尾という名前と地形の関わりがうかがえます。

現在も増尾城址総合公園の周辺には高低差のある地形が残っており、地名の由来を考える手がかりになっています。
現地を歩く機会があれば、駅名としての「増尾」と、丘陵の形を示す地名としての「増尾」を重ねて考えてみるのも面白そうです。

逆井|水が勢いよく湧く場所だった?

逆井は「さかさい」と読み、東武アーバンパークラインの駅名にもなっています。「逆」と「井」の2文字からなるこの地名には、水に関する説が伝わっています。

柏市の広報では、井戸をひっくり返したように水がよく湧き出る場所だったことから名付けられた、という説明を紹介しています。名前の起源が確定しているわけではありませんが、地域の湧き水と結び付けられてきたことがわかります。

「逆井村」は江戸時代の村名としても記録されています。今は住宅地や駅のある地域ですが、名前の由来をたどると、水に目を向けた昔の人々の見方が感じられます。

篠籠田|読み方は「しこだ」、古い表記が残る地名

「篠籠田」は「しこだ」と読みます。漢字からそのまま読むのは難しいものの、柏市の「しこだ保育園」や篠籠田の獅子舞など、現在も地域の施設や行事の名に使われています。

京葉ガスの地名解説や郷土史資料では、古い時代の「志子田」など、現在とは異なる漢字表記が紹介されています。文字の書き方が移り変わっても、「しこだ」という音が受け継がれてきたと考えられます。
ただし、なぜ最初に「しこだ」と呼ばれたのか、語源そのものははっきりしていません。

6つの地名から見える、柏の土地の歩み

十余二のように明治の事業から生まれた名前がある一方、篠籠田には古い表記が残り、呼塚には馬の伝承が伝わっています。
布施には人の行き来、逆井には水との関わり 、増尾には土地の起伏が重なります。

地名は一つの時代にまとめて付けられたものではありません。
開墾、交通、自然環境、言い伝えが異なる形で名前に残ったことが、6つを比べるとよくわかります。

まとめ|駅名や住所から、昔の柏を知る

普段何気なく使っている柏の地名も、その由来を調べてみると、思いがけない歴史や言い伝えが見つかります。
今回紹介した6つの地名以外にも、柏には珍しい読み方や興味深い由来を持つ地名がまだまだあります。
いつも通っている場所も、名前の由来を知ると、少し違って見えるかもしれませんね。

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